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スロベニア大使 人命の重み訴え 広島大で講演

 スロベニア大使館(東京)のアナ・ポラック・ペトリッチ特命全権大使が7日、平和をテーマに広島大東広島キャンパス(東広島市)の国際交流施設ミライクリエで講演した。ロシアによるウクライナ侵攻にも触れ、人の命の重みをあらためて訴えた。

 会場とオンラインで約100人の学生や教職員が参加。ペトリッチ大使は国際人道法や、武力行使を慎むよう定めた国連憲章など、人間が戦争を避けるために築いてきた仕組みの歴史を紹介。今の世界情勢について「問題解決に向けた行動の判断基準が国益であってはならない」と強調した。

 独立前のスロベニアが属した、旧ユーゴスラビアの紛争の経験にも言及。30年たった今も心的外傷を抱えて苦しんでいる人々がいることや、戦争後に元通りの生活に戻ることの難しさを伝えた。広島の若者に対し、「世界に平和のメッセージを発信してほしい」と期待を寄せた。

 同大が海外の政府首脳や駐日大使を招いて平和をテーマに語ってもらう「ピース・レクチャー・マラソン」の一環。今回で6回目。(高橋寧々)

(2022年4月8日朝刊掲載)

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