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折り鶴の願い 母校に託す 佐々木禎子さん命日 幟町小に兄寄贈

 広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルで、白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴1羽が命日の25日、母校の幟町小(中区)に寄贈された。保管していた禎子さんの兄雅弘さん(72)=福岡県那珂川町=が「平和について考える材料にしてほしい」との思いを託した。(田中美千子)

 雅弘さんが理事長を務める東京のNPO法人サダコレガシーが25日、平和記念公園内のレストハウスで寄贈式を開き、瀬川照幸校長(57)に手渡した。小箱に入れられた折り鶴は1センチ余り。病床の禎子さんが回復を祈り、セロハン紙で折った。

 禎子さんは2歳の時に爆心地から約1・7キロの楠木町(現西区)の自宅で被爆し、避難中に「黒い雨」に打たれた。幟町小を卒業目前に入院し、8カ月後に亡くなった。

 幟町小は折り鶴を校内に飾り、市内外の小中学校にも貸し出す計画でいる。瀬川校長は「子どもたちは実物から禎子さんの思いを感じとるはずだ」と期待している。

(2013年10月26日朝刊掲載)

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