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胎内被爆 仲間募る 来年8月 全国的な連絡会設立

 原爆投下時、母親のおなかにいて放射線の影響を受けた胎内被爆者の男性2人が25日、広島市役所で記者会見し、来年8月に全国的な胎内被爆者の連絡会を設立することを明らかにした。被爆者の高齢化が進む中、仲間を広げ、被爆体験の継承を目指す。

 会見したのは、広島市を拠点に活動する原爆被害者相談員の会代表の三村正弘さん(68)=西区=と、香川県原爆被害者の会会長の好井敏彦さん(67)=同県坂出市。温品小(東区)の同級生だった。

 好井さんは今夏、三村さんが被爆者健康手帳を取得したとの新聞記事を見て初めて、同じ胎内被爆者だと知った。2人は「『最も若い被爆者』として活動しよう」と意気投合した。

 今後1年は既存の被爆者団体の広報紙などを通じて仲間を募る。結成後は自らの半生をつづる「自分史」の執筆に取り組み、他の活動は協議して決める。

 胎内被爆者は3月末現在、全国に7396人いる。胎内被爆で頭囲が小さく発育障害がある「原爆小頭症」の患者や家族でつくる「きのこ会」が広島を拠点に活動。近年、被爆2世や3世の団体も増えたが、胎内被爆者の全国的な連絡会は例がないという。

 2人は「長年、平和活動を続けてきた被爆者が相次ぎ亡くなり、焦りを感じる。仲間を集め、できることから始める」と話している。三村さんTel090(7375)1211。(田中美千子)

(2013年10月26日朝刊掲載)

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