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移転中止訴え署名活動 広島市中央図書館 3団体が開始

 中央図書館(広島市中区)などをJR広島駅前の商業施設「エールエールA館」(南区)に移す市の計画で、市民団体「広島文学資料保全の会」など3団体は、同図書館の現在地周辺での建て替えなどを求める署名活動を始めた。

 同会の土屋時子代表、「鈴木三重吉赤い鳥の会」の長崎龍深会長、被爆作家の原民喜を顕彰する「広島花幻忌の会」の原時彦顧問の3人が発起人。いずれの団体も、中央図書館内の広島文学資料室に資料を寄贈してきた。

 3団体は、文学資料の管理や活用方法が周知されておらず、移転で資料が散逸する恐れなどがあると指摘。現在の図書館がある中央公園内の建て替えを求めている。また、移転と建て替えを比較できる資料を示し、資料の保管や活用について関係者から意見を聞くよう要望している。

 市は、現図書館の老朽化のほか、利便性の向上や公共施設の配置バランス、財政面などを理由にA館へ移し、2025年度の開館を目指している。

 3団体の署名活動は5月末までの予定で、その後に市議会へ提出する。土屋代表は「寄贈資料が今後、大切に扱われるのか不安だ。広島ゆかりの資料は、平和記念公園に隣接した現在地の近くで保管、活用するべきだ」としている。保全の会☎082(291)7615。(余村泰樹)

(2022年4月9日朝刊掲載)

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