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被爆2世の吉田さんと瀬木さん 使命担い友情

■記者 迫佳恵

 自らと同じ被爆2世を撮り続けるカメラマン吉田敬三さん(48)=東京都=が13日、中国料理店経営瀬木寛親(ひろちか)さん(44)=広島市南区=を訪ねた。瀬木さんは店頭で4年間、平和チャリティー募金を続けてきた。2人は被爆2世が担う「平和実現の使命」を確かめ合い、友情を深めた。

 瀬木さんは両親が広島市で被爆した。経営する中区の店の収益や顧客のカンパで、原爆養護ホームに介護用品などを贈っている。ブログで活動を知った吉田さんから、撮影を申し込まれた。

 この日は、瀬木さんが店の前にチャリティー募金の看板を置いてほほ笑む姿に、吉田さんがカメラを向けた。吉田さんは「ビジネスと平和活動をつなげるアイデアに関心する」。瀬木さんは「写真は被爆2世を通して原爆への理解を広げるよい手段だ」と共鳴し合っていた。

 吉田さんは26歳から約10年間、戦場カメラマンとしてアフガニスタンなどを渡り歩くうち「被爆2世として自分も戦争と深くかかわっている」と自覚。長崎市で被爆した母(74)から初めて被爆体験を聞いたのをきっかけに、被爆2世を撮影する全国行脚を始めた。  瀬木さんは70人目。吉田さんは「100人を達成したら個展を開きたい」と意欲をみせていた。

(2009年6月14日朝刊掲載)

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