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「ウクライナに平和を」 ドーム前で市民ら集い

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、戦争や核兵器反対を訴える集いが10日、広島市中区の原爆ドーム前であった。呼び掛けた広島の市民グループ「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)によると、被爆者や市民たち約750人が集まった。

 参加者は「ウクライナに平和を」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて黙とう。続いてロシアのプーチン大統領による核兵器使用を示唆する発言やロシア軍による無差別攻撃に対し、若者や被爆者計10人がマイクで思いを語った。

 カクワカ広島の田中美穂共同代表(27)は「今こそ戦争反対、核兵器反対の声を上げないといけない」と強調。母親がウクライナ出身の高校2年平石幸一さん(16)=南区=は「みんなで力を合わせて戦争を止めよう」と呼び掛けた。

 県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(80)は「核兵器は廃絶しかない」。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(77)は生後9カ月で被爆した自身の経験を踏まえ「現地では子どもが犠牲になっている。こんなことがあっていいのか」と力を込めた。

 カクワカ広島はこの日の様子を映像作家時川英之さん(49)=西区=の協力を得て収録。参加者たちの平和を訴えるメッセージに英語とロシア語の字幕を付けて後日、交流サイト(SNS)で発信する。(小林可奈)

(2022年4月12日朝刊掲載)

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