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原爆資料館 入館23%増 21年度 40万人 団体やや回復

 原爆資料館(広島市中区)は11日、2021年度の入館者数が40万5987人だったと発表した。新型コロナウイルス禍の中、修学旅行生たちの団体入館者数がやや持ち直し、20年度より7万7397人(23・6%)増えた。ただ、新型コロナの感染拡大期の臨時休館などの影響で過去最多の19年度と比べると135万2759人(76・9%)少なかった。(余村泰樹)

 21年度は秋の修学旅行シーズンの10~12月に臨時休館や入場者数の制限がなかったため、団体入館者数が20年度比7万1766人(80・8%)増えた。外国人は1万4220人で20年度比2028人(16・6%)増えたが、全入館者に占める割合は18、19年度の3割弱に比べて3・5%と低い水準にとどまった。

 一方、コロナの感染急拡大などにより150日間休館した。年間開館予定の約4割に当たり、20年度と比べて35日間増えた。

 市役所で記者会見した滝川卓男館長は「資料館ホームページの多言語化やオンラインの被爆証言を充実させ、コロナ収束後の来館につなげたい」と話した。

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)も11日、21年度の入館者数が6万2058人だったと発表した。20年度と比べて7355人(10・6%)減り、20年度に続いて過去最少を更新した。久保雅之館長は「本来は約4割を占める訪日外国人の入館者が、新型コロナの入国制限で減少したことが影響した」と分析している。

(2022年4月12日朝刊掲載)

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