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反戦と平和の思い 届いて 尾道で大林監督法要

 尾道市出身で2020年に82歳で亡くなった映画監督大林宣彦さんの命日の10日、地元関係者たちが「さびしんぼう」の舞台になった西願寺(同市吉浦町)で三回忌法要をした。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、監督が晩年の作品で強く訴えた反戦と平和への思いを強くした。

 同作で住職役の指導もした岡田慈照住職(77)が本堂で読経。尾道でのロケ支援や大道具の担当者、ファンたち11人が遺影に手を合わせた。元スタッフで同市のフォトライター吉田多美重さん(64)は「住民に尾道は良いまちと自信を持たせ、全国に発信してくれた。かけがえのない人」としのんだ。

 「転校生」や「時をかける少女」「ふたり」の撮影場所には、今もファンが訪れる。ロケ地やエキストラの手配をしてきた同市の喫茶店経営大谷治さん(70)は、今の時代こそ大林監督の作品とそのメッセージが世界に届いてほしいと願う。「われわれはウクライナ侵攻から目を背けず、戦争はいけないと言い続けなければ」 (神田真臣)

(2022年4月13日朝刊掲載)

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