被爆者運動などの資料を収集・発信 施設建設へ基本構想 東京のNPO
13年10月28日
NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)は、被爆者運動などの資料を収集し、世界に発信する拠点施設「継承センター」の基本構想をまとめた。首都圏へのセンター建設の機運を高めるのが狙いだが、資金調達や人材の確保が課題となっている。
継承センターは、2011年の同会結成時からの「資料センター」構想を発展。被爆者の運動の記録や手記などの資料を「記憶遺産」と位置付け、系統的な収集、発信を目的とする。後世への記憶の継承に重点を置き、広島市の原爆資料館などの既存施設とともに記憶の風化を防ぐ。
同会の伊藤和久事務局長は「体験を話している被爆者は数%。被爆地を中心とした取り組みではカバーできない証言にも目配りしたい」と説明する。
設立には、膨大な資料を保管・公開する施設や、整理する専門知識を持ったスタッフが必要になる。基本構想では、建設や運営に必要な資金を「数十億円単位」とした。資金集めは募金や寄付を中心に想定するが、具体的な手法は模索中だ。
同会は11月2日、東京都内でセンター実現を目指す集会を開く。構想づくりを担ったメンバーの一人、浜谷正晴・一橋大名誉教授が基調講演。参加者の質問に答える。
同会は、作家の大江健三郎さんたちが呼び掛けて結成した。体験を伝えたい被爆者と継承活動を進める個人や団体を橋渡しする「継承ポータル」の運営などをしている。
基本構想はホームページで公開している。ダウンロードできるアドレスは、http://www.kiokuisan.jp/最新活動情報/(藤村潤平)
(2013年10月28日朝刊掲載)
継承センターは、2011年の同会結成時からの「資料センター」構想を発展。被爆者の運動の記録や手記などの資料を「記憶遺産」と位置付け、系統的な収集、発信を目的とする。後世への記憶の継承に重点を置き、広島市の原爆資料館などの既存施設とともに記憶の風化を防ぐ。
同会の伊藤和久事務局長は「体験を話している被爆者は数%。被爆地を中心とした取り組みではカバーできない証言にも目配りしたい」と説明する。
設立には、膨大な資料を保管・公開する施設や、整理する専門知識を持ったスタッフが必要になる。基本構想では、建設や運営に必要な資金を「数十億円単位」とした。資金集めは募金や寄付を中心に想定するが、具体的な手法は模索中だ。
同会は11月2日、東京都内でセンター実現を目指す集会を開く。構想づくりを担ったメンバーの一人、浜谷正晴・一橋大名誉教授が基調講演。参加者の質問に答える。
同会は、作家の大江健三郎さんたちが呼び掛けて結成した。体験を伝えたい被爆者と継承活動を進める個人や団体を橋渡しする「継承ポータル」の運営などをしている。
基本構想はホームページで公開している。ダウンロードできるアドレスは、http://www.kiokuisan.jp/最新活動情報/(藤村潤平)
(2013年10月28日朝刊掲載)