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ワシントンに原爆資料館 超党派国会議員が構想

■記者 岡田浩平

 超党派の国会議員でつくる「NPT推進の会」が、米国ワシントンに核兵器廃絶の願いを込めたモニュメントと、広島や長崎の被爆の実態を伝える常設の資料館の設置を構想していることが15日分かった。像は来春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での除幕、資料館は来年中の開設を目指す。

 核軍縮、不拡散の機運の高まりを背景に、原爆を投下した国の首都で核兵器の悲惨さを伝え、国際社会に核兵器廃絶への意思を強めてもらうのが狙い。

 モニュメントは「核兵器廃絶への祈り」をイメージ。資料館は被爆資料のほか放射線被害の研究データや論文などを紹介する案がある。規模など詳細は具体的な設置場所を決めてから詰める。資金集めや運営を行う組織についても検討を急ぐ。

 ワシントンでは、1995年にスミソニアン航空宇宙博物館がエノラ・ゲイの部分展示に合わせて原爆展を計画したが、退役軍人らの猛反発で開けなかった。推進の会は、次の衆院選後すぐにワシントンを訪れ、核軍縮に積極的な民主、共和両党の上下院議員に協力を呼び掛ける考えだ。

 会は自民、民主各2人、共産、社民各1人の計6人で今年3月に発足。共同幹事の一人、寺田稔氏(自民、広島5区)は「原爆を投下した米国にモニュメントや資料館を置くことは核なき世界へ極めて意義深い。必ず実現したい」と話している。

(2009年6月16日朝刊掲載)

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