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国際交流 育んだ30年 市民運営「ぺあせろべ」最後の開催

 1984年に始まり広島市の国際交流イベントの草分けとして親しまれてきた「ぺあせろべ」が27日、広島市中区の中央公園であった。実行委員会メンバーの高齢化などで、30回目のことしが最後の開催となった。来場者や出店者に草の根の交流を育んだ30年間への感謝と惜しむ声が広がった。(久保田剛)

 この日、会場の芝生広場には約5万人が訪れ、県内の30団体が設けた各国を代表する食や民芸品のブースを回った。「多様な外国の人との触れ合いが毎年楽しみだった。違う形で続けてほしい」と話すのは、ロシアのマトリョーシカを買った安佐南区の上久保智美さん(32)。毎年会場を訪れていた。

 ネパール産のお茶やアクセサリーを販売し、収益を現地の教育支援に充てる中区のカルキ・パラメソールさん(44)は「文化や魅力を知ってもらう大切な場が一つ消えるのは残念」と肩を落とした。

 市の掲げる「国際平和文化都市」を盛り上げようと、市民有志たちの実行委などが始めた。初回の参加者は約2千人だった。ブース数は当初の3倍に増えた。

 初回からイベントに携わる西区の山本誠実行委員長(76)は「類似イベントのきっかけとなり、交流の輪も広げることができた。ここで生まれた人のつながりを今後も大切にしてほしい」と話した。

(2013年10月28日朝刊掲載)

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