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言葉や習慣の違いで苦労 残留邦人が体験語る 広島市中区で学ぶ会

 日本に帰国した中国残留邦人や家族の問題を学ぶ会が26日、広島市中区の中央公民館であった。地域住民や支援者たち79人が、言葉や習慣の違いで苦労した残留邦人の体験や悩みを聞いた。

 中国で生まれ、戦後の混乱で孤児となった川添瑞江さん(75)=南区=は帰国後、60代で市内の夜間中学や通信制高校に通った経験を発表。「テストが解けない時は悔しく、恥ずかしかった。先生の励ましがあったから続けられた」と話した。

 中国で育ち、日本に移り住んだ残留邦人2世の国広洪恵生(こうえい)さん(43)=西区=は「出産後の乳児健診も、小学校での遠足や弁当も、意味すら分からなかった」と振り返り、「不安な気持ちに寄り添ってくれたらうれしい」と訴えた。

 県内の残留邦人は4月現在で518人。広島大の研究者や支援団体でつくる実行委員会が初めて企画し、今後も継続していく。中区の市職員久岡桂子さん(52)は「背景を知れば解決できる擦れ違いがある。もっと学びたい」と話していた。(新本恭子)

(2013年10月28日朝刊掲載)

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