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ウクライナは医薬品不足。支援が必要 文化学園大生 現地の状況聞く

 広島文化学園大(広島市安佐南区)は18日、ウクライナ中部ジトーミルに住むエフゲーニャ・ドンチェヴァさん(53)とオンラインでつないだ。学芸学部子ども学科の1年生を中心に約60人がロシア軍による攻撃や現地の状況を聴講。チェルノブイリ原発事故以降、被曝(ひばく)者の支援を続ける財団の理事を務めるドンチェヴァさんは医薬品の不足といった戦時下の課題を訴えた。

 同学科の伊藤駿講師(29)が学校教育での原発事故の継承をウクライナで研究していた時の縁で実現。ドンチェヴァさんは首都キーウ(キエフ)から西に約130キロの都市ジトーミルの学校や病院にミサイル攻撃があったことを伝え「心理的に厳しい状況に置かれている」と話した。

 ドンチェヴァさんが支援している原発事故の被曝者や障害児施設の間では常備薬や日用品が一時入手しづらくなっていたことも説明。また侵攻後、ジトーミルには市外から避難してくる妊婦もおり、粉ミルクの不足も目立ったという。

 国外からの支援金で必要なものは随時購入してきたが「今もレスキュー隊の防火服や医薬品が不足している。子どもの病院などに必要な物資の聞き取りをしながら、支援を続けていく必要がある」と訴えた。

 同大は2020年からウクライナの子どもとクリスマスカードを交換するなどしてきた。ドンチェヴァさんによると、交流した子どもたちは避難したという。同学科3年の横山千華さん(20)は「子どもたちが心配だったが安心した。引き続き、どんな支援ができるか考えたい」と話した。

 同大の教員と学生の有志は3月3~31日に寄付を募り、154万円余が集まった。ドンチェヴァさんを通じてウクライナに届ける予定という。(高本友子)

(2022年4月19日朝刊掲載)

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