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ジュノー博士記念祭 長男が参加「核兵器禁止は父の遺志」

■記者 山本祐司

 被爆後の広島に医薬品15トンを届け、自らも治療にあたったスイス人医師、マルセル・ジュノー博士をしのぶ記念祭が14日、広島市中区、平和記念公園南の顕彰碑前であった。今年で20回目の開催を記念し、長男のブノワさん(63)がスイスから招かれた。参加者約300人が博士の功績をたたえた。

 顕彰事業実行委員会の主催。委員長を務める県医師会の碓井静照会長が「博士の人道的行為に感謝したい」とあいさつした。ブノワさんは「父は広島での核兵器の破壊力を語り、このような兵器はすべて国際的に禁止しなければいけないと話していた」と平和への思いを伝えた。

 実行委によると、博士の尽力で1万人以上の命が救われたという。被爆者を代表して当時看護学生だった中区の竹島直枝さん(81)が「貴重な医薬品を届けてくださり、頭の下がる思いがする」と述べた。

(2009年6月16日朝刊掲載)

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