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平和研が論文集創刊 HPで公開 安全保障など発信

 広島市立大広島平和研究所(安佐南区)が、論文集「広島平和研究」を創刊した。11月の出版に先立ち、研究所の公式ホームページ(HP)で公開している。年1、2回発行し、安全保障や平和構築をめぐる研究の成果を発信する。

 創刊号に載せた論文8編のうち、3編は吉川元所長たち所内の研究者が書いた。吉川所長は「平和とは何か」と題し、国同士の戦争や紛争の回避が優先される一方、世界各地では政府による民衆の大量殺害が横行してきた歴史を解説。「複眼的な平和観を持つことが重要だ」と訴える。

 寄稿では大阪女学院大の黒沢満教授(軍縮国際法)が「核兵器のない世界」実現に向けた具体策を提言。韓国、香港、シンガポールの研究者が寄せた3編は英文のまま載せた。

 HP版はA4判で全186ページ分。印刷物は持ち運びやすい大きさにし、約1200部を県内外の研究者や大学、被爆者団体などに配布する。販売はしない。吉川所長は「兵器に頼らずに人間の安全が守られる国際政治の在り方について、被爆地から提言したい」と話す。(田中美千子)

(2013年10月29日朝刊掲載)

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