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福島の原発事故 いわき市の旅館 おかみ葛藤語る

 福島県いわき市の湯本温泉にある旅館のおかみ佐藤明子さん(44)と小山いずみさん(35)が29日、広島市東区の広島女学院大で講演した。学生約300人に、福島第1原発事故直後の様子や今も続く影響を訴えた。

 2人は旅館で原発作業員や避難者を受け入れた事故直後を振り返った。作業員の宿泊は今も続く。「原発事故の影響は収束する様子がない。気持ちを前に進められず、もどかしい」と佐藤さん。小山さんは「観光客が呼び戻せるか分からない」と不安を訴えた。

 被災地の民話や避難生活を紙芝居に描く広島市の市民グループ「まち物語制作委員会」と同大が招いた。学生は紙芝居の英訳などを手伝っている。

 講演に先立ち、湯本温泉の被災直後を描いた紙芝居の上演もあった。2年の日野志緒梨さん(20)は「被災者の葛藤を知り、今も被害は続いていると感じた」と話していた。

 2人は28日に廿日市市の宮島を訪れ、観光振興策を探った。29日は広島市中区の原爆資料館なども見学。講演を終えて帰途に就いた。(永里真弓)

(2013年10月30日朝刊掲載)

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