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大和ミュージアム25万人台 21年度来館者数 コロナで観光客激減 修学旅行での利用回復傾向

 100万人を超えた年度もある高い集客力を誇ってきた大和ミュージアム(呉市)の2021年度の来館者数は、20年度に続き2年連続で25万人台に落ち込んだ。新型コロナウイルスの影響で観光客が激減したためだが、修学旅行での利用は回復傾向にあり、同館は学習機会などの維持へ工夫を凝らす。(小林旦地)

 同館は21年度、コロナ対策のため5月18日~6月20日と8月20日~9月30日、今年1月11日~2月20日の3度にわたり臨時休館。日数は計114日に上り、20年度の92日を超えた。例年多くの人が訪れる夏から秋にかけての行楽シーズンが休館となったのも来館者数に響いた。

 21年度は25万1164人で、20年度の25万8055人と並ぶ低水準に。コロナ以前の19年度までの年間平均が95万人台なのと比べ、激減した。

 それでも、例年約2万人が訪れていたという修学旅行での利用は回復傾向にある。21年度は274校の約1万5130人が訪れ、20年度比では倍増。同館学芸課によると、人気の海外や沖縄などへ行くのが難しい中、平和学習として広島市の原爆資料館と合わせて大和ミュージアムを選ぶ学校が増えたという。

 感染防止策でボランティアによる館内ガイドは中止しており、同館は修学旅行生の学びの質を確保するため、館内案内の冊子を作るなど工夫を凝らす。小学生用と中高生用の2種類を用意。呉に海軍の鎮守府が開庁した年号や、戦後に呉で建造された当時世界最大のタンカーの名前を問うといったクイズも載せている。学芸員によるガイダンスDVDも作成した。

 コロナ禍が長引く中、兼光賢課長は「若い人たちに学習の機会を提供できるよう、オンラインガイダンスなども含め、新しい方法を考えていきたい」と話す。

(2022年4月25日朝刊掲載)

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