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ウクライナ思い 反戦絵画 「キッズゲルニカ」賛同 広島市の子どもたち 出身者らメッセージ

 ロシアのウクライナ侵攻に抗議する広島市の子どもたちが国際プロジェクト「キッズゲルニカ」に賛同し、反戦絵画を制作している。24日にはウクライナ出身者たちも参加し、県内での同国支援のコンサートで来場者から寄せられた戦争終結を願うメッセージも書き入れた。チェルノブイリ原発事故から36年となる26日、中区の原爆ドーム対岸の元安川親水テラスで展示する。(高本友子)

 絵画を制作しているのは、西区などの美術教室「アトリエぱお」に通う園児から美大受験生まで約200人。縦3・5メートル、横7・8メートルのテント生地に、絵の具で日本の桜やウクライナのヒマワリ、小麦畑などの四季を描いた。講師の溝尻フェリシアーノ奏子さん(35)は「ウクライナの樹木が黒焦げになった映像を見た生徒たちが、平和の象徴として自然を描こうと構図を考えた」と話す。

 教室には、ウクライナ出身の平石エレナさん(42)=南区=の次男幸一ラファエルさん(16)も通う。エレナさんは、三男の英心リチャードさん(14)たちが開いたチャリティーコンサートで来場者から「一日でも早く日常が戻るように」など多くの励ましを受け、「もらったメッセージを多くの人に見てもらいたい」と教室に相談。絵画制作への参加が実現した。

 この日、自らも平和への願いを書き入れたエレナさんは「チェルノブイリ原発事故では多くの人がつらい思いをしたのにロシア軍は原発を攻撃した。本当に恐ろしい。どうやってこの戦争を止めるか、一人一人が考えてほしい」と訴えた。

 出来上がった絵画は30日に廿日市市の文化ホールウッドワンさくらぴあ、5月7日に三次市の市民ホールきりりであるチャリティーコンサートでも展示される。

(2022年4月25日朝刊掲載)

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