×

ニュース

被爆者団体の会報 冊子に 2世中心の福山市原爆被害者友の会 前身発行の32年分収録

 被爆2世を中心に活動する福山市原爆被害者友の会が、前身の被爆者団体が年1回発行していた会報を後世に残そうと冊子にまとめた。市内の図書館や原爆資料館(広島市中区)などで閲覧できる。

 「『被爆会報』に学ぶ」と題し、A4判約200ページ。前身の福山市原爆被害者の会(2015年解散)が発行した32年分の会報を収録した。会員の被爆体験が載るほか、証言活動への協力を求める様子などが記録されている。

 会長の猪口(いのくち)武司さん(70)=福山市御門町=は「平和の大切さを伝えるために、会が紡いできた歴史を埋もれさせたくなかった」と話す。

 会員は現在、被爆者21人を含む約70人。市内の小中学生たちに向け証言活動を続けるが、高齢化や新型コロナウイルス禍で活動を縮小している。

 今後も被爆体験を動画で撮るなど継承の手段を増やすという。猪口さんは「冊子を読んで興味を持ったら、いつでも連絡してほしい」と呼び掛ける。猪口さん☎090(8608)0115。(東山慧介)

(2022年4月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ