×

ニュース

核兵器廃絶 世界で共感 被爆者3人船旅終える

 被爆体験を世界に伝える非政府組織(NGO)ピースボートの船旅に参加した県内の被爆者3人が29日、広島市役所で帰国報告の記者会見をした。約3カ月の旅を「世界の人々と核兵器廃絶の思いを共有できた」と振り返った。

 安佐南区の岡本忠さん(69)、佐伯区の高村秀樹さん(69)、府中町の八幡照子さん(76)で、日本政府が「非核特使」を委嘱。7月18日に横浜港を出発し、エルサルバドルやフランスなど中南米、欧州、アジアの計19カ国を巡り今月10日に帰国した。

 八幡さんはポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡でホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の生存者と交流し、体験を継承することの大切さをあらためて実感。「体験を話すことができる被爆者は年々少なくなる。証言を続けることが大切だ」と話した。

 岡本さんは「原爆の悲惨さを伝えることができた」、高村さんは「被爆者のメッセージを受け継ぐ若者が増えてほしい」と願った。(新山京子)

(2013年10月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ