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哀悼・平和 祈り奏でる 米指揮者迎え広響定演

 新年度シーズンの幕開けとなる広島交響楽団の第420回定期演奏会が23日、広島市中区の広島文化学園HBGホールであった。プレミアム定演と銘打ち、米トップ指揮者のレナード・スラットキンと初めて協演。マーラーの大曲をメインに披露し、平和への願いを音色に込めた。

 安芸区出身の作曲家細川俊夫が編曲した「オーケストラのための『さくら』」で始まった。当初のプログラムを変更して加えた日本初演となる一曲。うららかな春を思わせる優美な旋律が会場を包んだ。

 次いでマーラーの交響曲第6番「悲劇的」。迫力たっぷりの熱演が続き、終楽章では2発のハンマー音が重々しく響き渡った。ロシアのウクライナ侵攻で犠牲となった人々への哀悼や、平和への思いを注いだ調べが、約1200人を魅了した。中国新聞社などの主催。(木原由維)

(2022年4月24日朝刊掲載)

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