×

ニュース

呉に海自初の油槽船 1隻入港 燃料輸送担う

 海上自衛隊が初めて保有する油槽船1隻が22日、呉市の海自呉基地に入港した。これまで民間に委託していた製油所から基地などへの燃料輸送を担う。有事への対応や災害派遣などの際も、迅速な対応が可能になるという。今夏までに呉警備隊へ2隻配属される。

 入港した01号(4900トン)は14人の隊員が乗り込み、最大6千キロリットルの燃料を運べる。横須賀や舞鶴、佐世保、硫黄島など各基地間の輸送も担う。7月に入港予定の02号を含めて民間のタンカーと同じ仕様で、建造費は2隻で計約57億円。

 これまでは民間企業への燃料発注から供給まで数カ月を要することもあったという。自ら油槽船を持つことで、民間所有のタンカーに不測の事態があったり、燃料供給が滞ったりした場合も影響を抑えられる。

 この日は報道関係者向けに船内も公開された。3等海佐の永山文彦船長(53)は「訓練を通じて船の基盤をつくる。市民に存在を広く知ってもらいたい。(配備によって)柔軟な輸送が可能になる」と話した。(上木崇達)

(2022年4月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ