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山口県岩国 米軍祖生通信所再開へ 訓練増加に対応か

 防衛省が30日明らかにした米軍施設「祖生(そお)通信所」(岩国市)の再開方針。事実上機能していなかった施設を再び整備し、使用を再開するのは、米空母艦載機の米海兵隊岩国基地(岩国市)への移転で増加が見込まれる日本海や四国沖での訓練に対応するのが狙いとみられる。

 防衛省によると、中国、四国山地に電波をさえぎられないようにするため、標高約550メートルの祖生通信所を選んだという。岩国市などへの説明では、日本海や四国沖の訓練空域を使用する米軍機が岩国基地と通信する場合に備え、鉄塔や通信局舎を再び整備するとの計画を示した。

 2017年ごろまでとされる米軍厚木基地(神奈川県綾瀬市など)からの艦載機移転に沿って整備を終えるという。

 国の方針に対し、岩国市の福田良彦市長は30日、「これまでとほぼ同様の通信施設が建設されると理解している。特段問題はない」との認識を示した。

 防衛省や市によると、祖生通信所は敷地面積約2万4千平方メートル。かつては米空軍横田基地(東京都)が管理し、在日米軍の通信網の中継点などとして使っていた。現在は岩国基地が管理しているものの、03年に鉄塔を撤去して以降は通信所の機能は事実上なかった。(堀晋也)

(2013年10月31日朝刊掲載)

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