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EU上級代表 核廃絶へ決意 広島 松井市長と懇談

 欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表(57)が31日、広島市を訪れた。EUの外交責任者の広島訪問は初めて。核開発を進めるイランと米英仏など6カ国の調整役を務めており、「ヒロシマ、ナガサキを最後の核被害者にすることが私たちの責務と実感した」と核軍縮に強い決意を示した。

 英上院議員を経て、EUの要職に就いたアシュトン氏は、原爆資料館を志賀賢治館長の案内で見学した後、原爆慰霊碑に献花した。

 続いて市役所に松井一実市長を訪ね懇談。「素晴らしい資料館だ。世界に重要なメッセージを発信し続ける被爆地に敬意を表したい」と述べた。松井市長が「ヒロシマの思いを受け止め、外交の場に生かしてほしい」と要望した後、非公開で意見交換した。

 市国際交流課によると、松井市長は原爆慰霊碑の碑文「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」の意味などを解説。アシュトン氏は日本政府と安全保障や軍縮、経済などの分野で連携していく姿勢を強調したという。(田中美千子)

(2013年11月1日朝刊掲載)

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