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原爆症認定制度見直し 松井市長「政治判断を」

 原爆症認定制度の見直しに向けた厚生労働省の検討会が議論している最終報告の骨子案ついて、広島市の松井一実市長は31日の記者会見で「被爆者を救う視点で、現政権が早急に政治判断してほしい」と述べた。

 制度見直しは、検討会での議論が大詰めを迎えている。新たな手当制度の創設を訴える日本被団協の委員と、現行制度を前提にした手直しを求める委員の主張は対立。最終報告の骨子案も、両論を意見として記すにとどまっている。

 松井市長は「救済を求める被爆者の気持ちも、疾病と放射線の因果関係を外向けに説明できるようにしたいとの有識者の理屈も正しい」と双方の主張に理解を示した。その上で「このままでは救済の枠組みができない。高齢で苦しんでいる被爆者に救いの手を差し伸べるという立場にウエートを置いてほしい」とし、被爆者側に立った政治判断を政府に求めた。(田中美千子)

(2013年11月1日朝刊掲載)

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