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[憲法 施行75年] 改憲・護憲 気運高めよう 記念日 中区で両派が集会

 憲法記念日の3日、憲法改正について考える集会が広島市中区であった。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、緊急事態への対応や9条の在り方などをテーマに改憲派、護憲派がそれぞれの主張を繰り広げた。

 改憲を党是とする自民党の支部が開いた憲法研修会には約180人が参加。党総裁の岸田文雄首相(広島1区)はビデオメッセージで、ウクライナ情勢を受け「緊急事態への関心が高まっている。改憲に向けた機運をこれまで以上に高めたい」と強調した。在日ウクライナ人の講演もあった。

 原爆ドーム前では、市民団体「5・3憲法を活(い)かそう女たちの会」がシールで9条をどうすべきかを尋ねた。185人が回答し、「守る」が148人、「変える」が15人、「わからない」が22人だった。西区の心理カウンセラー梶山佳世さん(49)は「今の9条でも平和は守られている」と「守る」に投票していた。

 護憲派の市民団体でつくる実行委員会が催したヒロシマ憲法集会には約260人が出席した。講演した新潟国際情報大の佐々木寛教授(55)=政治学=は「戦争を知らない世代が政治を牛耳っている」と、自民党が改憲案に盛り込んだ緊急事態条項の新設などを批判した。(河野揚)

(2022年5月4日朝刊掲載)

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