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中電、島根原発停止が重い負担 社長「通期黒字化は大変厳しい」 9月中間決算

 中国電力の2013年9月中間決算は、修繕費などのコスト削減を積み上げ、なんとか2年ぶりの最終黒字を確保した。島根原発の停止で重い燃料費負担がのしかかるが、同原発の再稼働は今期中は見込めない見通し。この日の会見で、苅田知英社長は通期の黒字化について「大変厳しい」との見方を示した。

 修繕工事の延期や中止、資材の調達費圧縮、液化天然ガスなど割安な燃料の買い増しなど…。できる限りのコスト削減策に取り組んで確保した最終黒字は4億円足らず。苅田社長は「純利益が小さい」とこぼした。

 14年3月期での利益予想は未定としたが、苅田社長は「さらなる効率化で、赤字を減らすしかない」と、黒字転換は困難とした。

 停止中の島根原発をカバーする火力発電の燃料費負担は年間で約1200億円に上る。「収支の抜本改善には(原発の)再稼働が必要」と強調した。

 しかし、原子力規制委員会による原発の安全審査は想定より遅れている。島根原発の申請準備についても「資料を加えるなど時間がかかっている」と現状を説明。申請時期も現時点で未定とし、今期中の再稼働は「見込めない」と述べた。

 電力9社のうち7社(申請を含める)が実施した電気料金の値上げ(改定)について、苅田社長は「具体的な検討をしていない」と従来の姿勢を崩さず、「徹底したコスト削減で切り抜ける」と訴えた。(山瀬隆弘、和田木健史)

(2013年11月1日朝刊掲載)

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