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被爆再現人形 15年度末撤去方針 松井市長「説明の場設置」

 広島市の松井一実市長は31日の記者会見で、原爆資料館(中区)の全面改修に伴い、被爆者の姿を再現した人形を2016年3月ごろ撤去する意向をあらためて示した。一方で展示資料のリニューアル内容が市民に十分伝わっていないことを認め、市民に説明する機会を設ける考えを強調した。

 松井市長は、撤去反対の署名活動が続いていることに関し「現在の館内展示から人形だけを抜くというイメージを持たれているのではないか」と述べた。ことし3月に公表した資料館のリニューアル計画が市民に十分周知されていないことを認め、「撤去に反対する人にも事業の当事者になったと思ってもらえるぐらいの情報を提示したい」とした。

 その上で「展示全体を替える中でそれでもなお、人形がないと被爆の実相が伝えられないという時は、排除ということではない」とも述べた。説明機会の時期や概要については言及しなかった。

 市は、人形のある本館の耐震改修工事を16~17年度に計画。15年度末でいったん閉館する際、人形を撤去する予定でいる。(新山京子)

(2013年11月1日朝刊掲載)

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