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広空襲の犠牲者ら追悼 工僚神社で慰霊祭

 太平洋戦争の犠牲者たちを祭る広島県呉市広両谷の工僚神社で5日、慰霊祭があった。広海軍工廠(こうしょう)や第11海軍航空廠で働き、空襲などで亡くなった411人に加え、戦死した地元出身の軍人・軍属942人の合祀(ごうし)が判明して初の営み。遺族たち約30人が参列し、戦争の恐ろしさをかみしめた。

 広地区で最大規模の空襲があった1945年5月5日から77年となるのに合わせ、市民有志が慰霊祭を開催。佐々木尚宏宮司が祝詞を上げた後、遺族たちが順番に玉串をささげ、犠牲者を追悼した。

 広高等女学校から広海軍工廠に学徒動員されていた福岡都喜子さん(93)=呉市川尻町=はあの日、防空壕(ごう)で空襲を逃れたという。「外で亡くなっていた人たちを思い出した。戦争は怖い」と涙を流していた。

 工僚神社は46年の建立。空襲の死者や工廠の殉職者を祭っているとされてきたが、広郷土史研究会顧問の相原謙次さんが昨年、広出身の軍人たちの合祀を名簿で確認した。(小林旦地)

(2022年5月6日朝刊掲載)

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