×

ニュース

米核実験の影響報告 中区 マーシャル諸島現状など

 米国が核実験を繰り返した中部太平洋マーシャル諸島の現状を研究する、明星大(東京)の竹峰誠一郎教授の講演会が、広島市中区の原爆資料館であった。核兵器禁止条約が昨年1月に発効して1年が過ぎたのを踏まえ、市民団体「被爆体験を継承する会」が企画した。

 竹峰教授は1998年からマーシャル諸島を訪れ、住民への聞き取り調査を続けている。講演では、46~58年に米国が同諸島で計67回の原水爆実験をし、放射能汚染で移住を余儀なくされた島民がいると紹介。「核問題は国防という大きな論点で語られがちだが、被害に巻き込まれる人々がいることも考える必要がある」と訴えた。

 4月下旬にあった講演会は約100人が参加し、マーシャル諸島の核被害を描いた米国のドキュメンタリー映画の上映もあった。広島大大学院2年頼金育美さん(24)=竹原市=は「日本だけでなく、マーシャル諸島でも核被害が続いていると、あらためて考えるきっかけになった」と話していた。(坂本顕)

(2022年5月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ