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被爆者の平和願う歩み 中区 10人の写真と言葉で紹介

 被爆者一人一人が歩んだ人生や平和への願いを、写真と言葉で伝える展覧会「ヒロシマ、顔」が9日、広島市中区のギャラリーGで始まった。同区のNPO法人ANT―Hiroshima(渡部朋子理事長)の主催。11日まで。  被爆証言活動を続け、昨年84歳で亡くなった岡田恵美子さんや、韓国原爆被害者対策特別委員会の李鍾根(イジョングン)委員長(93)たち10人の自然な表情が並ぶ。

 李さんの写真には「ずっと日本人になりたかった。だけど『江川政市』という日本名では、被爆者としてお話しできない。」と在日韓国人被爆者としての複雑な思いが添えられている。

 撮影は、西区の写真家石河(いしこ)真理さん。「愛や優しさが伝わるよう意識した。写真の被爆者と目を合わせ、会話をするような体験をしてほしい」と話す。

 展覧会は、同法人が2020年から被爆者の人生を写真冊子や映像で記録するプロジェクトの一環。会場では、李さんや岡田さんの映像も見ることができる。

 来場した中区の会社員高山いづみさん(62)は「温かい表情が語り掛けてくるよう」と話していた。

 入場無料。午前11時~午後7時(11日は午後6時まで)。(湯浅梨奈)

(2022年5月10日朝刊掲載)

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