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非核の誓い 深める100点 原爆資料館で新着資料展

 原爆資料館(広島市中区)に2020年度に寄贈された資料を紹介する新着資料展が、同館東館地下1階で開かれている。被爆者や遺族が保管してきた思い出の品や死亡証明書、写真など100点を展示している。来年1月まで。無料。

 原爆投下時に広島第一陸軍病院(現中区基町)に勤務していた西東美彌子(さいとうみやこ)さん=当時(23)=が使っていた鉄瓶は、両親が病院の焼け跡で見つけた。遺体は行方不明のままという。

 現中区中島町の自宅で被爆死した亀田八重子さん=同(14)=と、建物疎開作業中に被爆した弟の昌樹さん=同(12)=きょうだいの通知表や検視調書は、幼い命を奪った原爆の悲惨さを伝えている。資料展ではこのほか、夫や母親たち10人を亡くした被爆者が苦しみをつづった日記や、当時の妊産婦手帳などを並べている。

 西区のパート中須賀道子さん(78)は「被爆者の無念さ、命の重みを感じた。被爆の惨禍を繰り返してはいけない」と見入っていた。資料館によると、20年度は41人から307点の寄贈があった。(小林可奈)

(2022年5月11日朝刊掲載)

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