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原発稼働判断 鳥取県と2市の意見参考に 島根県、覚書近く締結

 島根県は1日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の稼働判断に原発30キロ圏の鳥取県、境港、米子市の意見を参考にすると定めた覚書を近く結ぶことで、1県2市と合意した。中電による再稼働手続きの開始を控え、鳥取県の平井伸治知事と両市長が島根県庁を訪れ要望し、島根県の溝口善兵衛知事が応じる考えを伝えた。

 原発30キロ圏の出雲、雲南、安来の3市と10月29日に締結した内容と同じ覚書を結ぶ。島根県が判断する際、立地市の松江市を除く周辺1県5市の意見を踏まえるとのルールが整うことになる。

 覚書は、稼働に関する1県5市の賛否にかかわらず、島根県が「総合的に判断」すると定める。溝口知事は3氏との会談後「同レベルの自治体間で調整するのは容易でない」と述べ、国に調整の枠組みづくりを求める考えをあらためて示した。

 合意を受け、平井知事は「県境を越えた仕組みは画期的」と評価。境港市の中村勝治、米子市の野坂康夫両市長も歓迎した。1県2市が中電と結ぶ原子力安全協定では、再稼働に向けた安全審査の事前了解権など立地自治体並みの権限はなく、3者は今後も中電への要求を続けるという。(樋口浩二)

(2013年11月2日朝刊掲載)

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