×

ニュース

核廃絶願う鐘 広島市に寄贈 サンパウロ商議所意向

 ブラジル広島県人会の大西博巳会長(68)は1日、広島市役所に松井一実市長を訪ね、サンパウロ商工会議所が核兵器廃絶の願いを込めた釣り鐘を広島市に寄贈する意向があることを伝えた。松井市長は歓迎し、設置場所の検討を始めるとした。

 大西会長によると、サンパウロ商議所はこれまでも世界平和を願う鐘をアルゼンチンやメキシコ、中国などに寄贈してきたという。

 大西会長は、交遊がある商議所会頭の希望を伝える形で「広島は世界で初めて、市民の頭上に原爆が落とされた場所。ぜひ鐘を設置してほしい」と述べた。市から設置場所決定の知らせを受け次第、鐘の鋳造に取り掛かる予定という。

 松井市長は「思いを受け止められる場所がないか、知恵を出したい」と答えた。市は、平和記念公園(中区)には記念碑などの新設を認めておらず、平和大通り沿いの緑地や公園などで設置場所を探す考えを示した。

 ブラジル広島県人会には移民や子孫たち約300家族が登録する。大西会長も母が五日市町(現佐伯区)出身の移民2世。松井市長との懇談後、若い頃に留学していた広島大の東広島キャンパス(東広島市)で講演した。(岡田浩平)

(2013年11月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ