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秋の褒章 781人14団体 紫綬 石内都さんら

 政府は、2013年秋の褒章受章者を2日付で発表した。受章者は781人(うち女性174人)と14団体。3日に発令される(年齢は3日現在)。

 芸術や学問などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章は、写真家の石内都(本名藤倉陽子)さん(66)ら16人(うち女性3人)が選ばれた。

写真家 石内都さん(66)=横浜市金沢区

新しいヒロシマ発見

 被爆者の遺品を独自の視点で撮り続けてきた。「なぜ私がご褒美をいただくのか。一番大きな理由はヒロシマなんでしょう」。花柄のワンピース、チェックのドレス…。あの日まで身に着けていた少女たちが、受章を喜んでいると感じている。

 女性のしわ、母の遺品を撮影した連作を発表してきた。被爆遺品としての衣服との出合いは2007年。鮮やかな色合いがおしゃれでかわいいと感じた。

 「反戦平和でがんじがらめになった遺品をもう少し自由にしてあげたかった」。08年に発表した写真集のタイトルも、柔らかなひらがなで「ひろしま」。写真集は世界へ。カナダでの個展は、米国人監督によって映画化もされた。原爆を投下した米国でも「いつか写真展を開きたい」。

 毎年、原爆資料館(広島市中区)で新着遺品を撮影する。「新しいヒロシマを発見してしまったから」。新たな写真集を構想中だ。(山本和明)

(2013年11月2日朝刊掲載)

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