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NPT会議 参加断念 広島市長 平和記念式典と重複

 8月に米ニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議について、広島市の松井一実市長が渡米による参加を断念したことが12日、分かった。8月6日の平和記念式典と日程が重なるため。核兵器廃絶を求める被爆地の声を国際社会に届けるため、小泉崇・広島平和文化センター理事長の派遣を視野に調整を進める。

 松井市長は世界8千都市以上が加盟する平和首長会議の会長として、2015年の再検討会議と同様に、非政府組織(NGO)の枠で参加する予定だった。国連の発表資料によると、今年8月の再検討会議のNGOの発表日は5日(現地時間)。日本時間では6日に当たるため、市は市長の渡米断念を決めた。

 一方、NPT加盟国のロシアがウクライナに侵攻を続け、核兵器使用を示唆する中、「核兵器保有国も参加する国際会議で核兵器廃絶を訴えることは必須」と判断。首長会議の事務総長を務める小泉氏を派遣する方向で検討する。

 松井市長の渡米の調整を担う首長会議事務局は「市長が渡米して会議に参加できないことは残念だが、核兵器廃絶へ国際社会を促すため、被爆の惨状と核兵器廃絶の訴えをしっかり届けたい」としている。(小林可奈)

(2022年5月13日朝刊掲載)

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