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米無人偵察機 配備へ 岩国基地に1機 海上監視を強化

 岩国市の米軍岩国基地に、米海軍の無人偵察機トライトン1機が今月から約5カ月間、配備される。防衛省が12日、岩国市と山口県に伝えた。中国などの海洋活動が活発になる中、海上の監視能力を強める狙い。

 中国四国防衛局の今給黎(いまきゅうれい)学局長が、岩国市役所で福田良彦市長に説明した。米領グアムのアンダーセン基地にある2機のうち1機が飛来する。東シナ海や南シナ海など広域を飛び、中国や北朝鮮の艦船などを撮影、情報を集める。運用に約50人が岩国基地に配置される。同機は昨年5月、米軍三沢基地(青森県)にも一時配備されていた。

 今給黎局長は、沖縄南方の太平洋で中国海軍が空母に艦載機が発着艦する訓練をしたことなどを踏まえ「情報収集の態勢強化は日本の安全保障にとって有益」と述べた。騒音レベルが小型機と同規模であることや、機体の安全性を説明した。福田市長は「一時的で騒音など生活への影響も小さい。やむを得ないと考えている」と応じ、安全対策の徹底などを求めた。

 山口県庁でも同局の担当者が同様の説明をした。基地担当の近藤和彦総務部理事は、飛来が今月中下旬との説明に苦言を呈し、早期の情報提供を求めた。(有岡英俊、渡辺裕明)

(2022年5月13日朝刊掲載)

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