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平和大通りに自転車道 広島市、23年度にも着工

 広島市は、市中心部を東西に貫く平和大通り(全長約4キロ)に自転車専用道を整備する。市民や観光客が自転車で快適、安全に移動できる街づくりのシンボルロードにする方針。通りの両側に整備し、早ければ2023年度に着工する。一部は24年度にも利用を始める。(新山創)

 専用道は、幅1・5~2・5メートルでアスファルト舗装とする。車道に沿って両側にある芝生の植樹帯に設ける。車道、歩道とはそれぞれ縁石で仕切り、安全のため一方通行とする予定だ。予定地に樹木がある場合は専用道を狭くするなどしてできる限り伐採を避ける。

 22年度は東端にある鶴見橋西詰め(中区)から平和大橋東詰め(同)までの1・4キロ分を設計する。交通量の少ない東側から工事を始めるためで、1・4キロの完成には3年程度かかると見込んでいる。約4キロが全通する時期は未定。

 整備区間には3カ所の橋があるが、幅が狭く植樹帯がない。スペースがないため専用道は設けない。専用道は橋で途切れる形になる。自転車利用者や歩行者の安全対策について、市は車道に自転車の走る位置を示すペイントを施して歩道に自転車が入らないようにすることなどを検討すると説明している。

 また、三川町交差点や白神社前交差点など車の左折専用レーンがある交差点の通行も課題となる。市はこうした交差点ではいったん歩道を通ってもらうことにする方針でいる。

 市は12日、有識者でつくる都市デザインアドバイザー会議に計画概要を説明した。委員からは「一方通行で追突が起きないか」「スピードが出過ぎないか」など安全性に関する質問が出た。市は整備に当たり、広島県警と相談して安全に走行できる方法を検討する。 市は13年、自転車都市づくり推進計画をまとめた。市民や観光客が自転車で移動するネットワークを構築し、環境に優しく、健康増進に役立つ自転車を生かした街づくりを掲げている。16年度から車道を色分けした自転車専用通行帯や専用道の整備を進めている。デルタ市街地で約80キロ分の整備を目指しており、これまでに約14キロが完成した。

 市自転車都市づくり推進課の柴田知子課長は「市中心部の東西をつなぐ軸線を造り、自転車が走りやすい街のシンボルにしたい。歩行者と混在する場所を減らし、市民の安全にもつなげたい」としている。

(2022年5月13日朝刊掲載)

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