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大規模災害時の医療は 広島市南区でシンポ 福島の医師ら提言

 大規模災害が発生した際の医療連携の在り方を考えるシンポジウムが3日、広島市南区のホテルであった。広島から東日本大震災や福島第1原発事故の被災地に赴いた看護師や理学療法士、現地の医師たち9人が意見を交換。学生や研究者たち約70人が聞き入った。

 福島県南相馬市立総合病院の及川友好副院長は人手と物資の不足で、重傷入院患者の治療に苦労した経験を報告。「つて頼みで県外の病院に受け入れてもらった。県境を越えた避難計画を打ち出すべきだ」と提言した。

 長引く避難生活について、他の医師たちは「ストレスで酒を過剰摂取する人がいる」「運動不足による慢性疾患も増えた」と指摘。継続支援の必要性が浮き彫りになった。

 災害復興の専門家を育てる広島大大学院博士課程の「フェニックスリーダー育成プログラム」の一環。受講する同大大学院生山口文恵さん(34)=東広島市=は「体験に基づく考察が参考になった。研究を深めたい」と話した。(田中美千子)

(2013年11月4日朝刊掲載)

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