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原発事故避難 近況を報告 口和の合津さん宅 3世帯6人が訪問

 福島第1原発事故の後、福島市から避難した合津理望(りぼう)さん(29)の庄原市口和町の自宅を3日、広島、三次の両市で同じく避難生活を続ける3世帯6人が訪ねた。福島の郷土料理を囲み、近況を報告し合った。(菊本孟)

 合津さんは、かつて原発から約50キロ離れた福島市御山町に住んでいた。事故直後、妻恵さん(28)と長男(3)を連れ、車で九州地方に避難。大田市を経て昨年末、知人の紹介で口和町で家を借りた。現在は生後8カ月の長女を加え4人暮らし。米を栽培しながら、近くの農家でアルバイトをして生計を立てる。

 この日は、福島、群馬、東京からそれぞれ移り住んだ家族を、自作の米で作ったおむすびや福島の郷土料理「いも煮」でもてなした。他の避難者からは「故郷に残してきた夫や両親となかなか会えない」「放射能の影響が怖い」など、悩みや不安の声が出た。

 福島市から広島市に移り子ども2人を育てる女性(42)は「避難生活をどう続けていいか分からない。合津さんの生活を参考にしたい」と話していた。

 避難者の定住対策を進める庄原市が企画した。合津さんは「避難生活を送る中で恵まれた縁を大切にし、前を向いて暮らしていく」と話していた。

(2013年11月4日朝刊掲載)

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