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アフガン退避者を広島大受け入れへ 元留学生ら支援へCF

 広島大(東広島市)は23日から、イスラム主義組織タリバンが政権を掌握するアフガニスタンから退避する同大の元留学生やその家族を受け入れるための資金を募るクラウドファンディング(CF)を始める。越智光夫学長が20日の記者会見で発表した。今後来日する74人を支援する予定で国内の大学の支援としては最多の規模という。

 74人は元留学生15人とその配偶者や子ども。1歳児もいる。目標は1千万円で、集まった金額に応じて航空運賃や到着後の生活、就労にかかる費用に使う。最も早い家族は5月中に到着する見込み。広島での生活を安定させるために半年間の支援を予定し、市や県と連携して公営住宅の入居や、大学の研究員としての雇用を進める。

 同大は昨年8月、アフガン情勢の混迷を踏まえ、学内に特別対策室を設置。同国では外国で学んだ人や女子教育に対する締め付けが強まっているとして、退避する元留学生たちへの支援策を探ってきた。越智学長は「広島大の根幹には平和教育がある。ロシア軍によるウクライナ侵攻だけでなく、アフガニスタンの問題にも焦点を当てて支援を考えたい」と強調した。

 CFは6月30日まで。募金専用サイト「レディーフォー」で募る。(下高充生)

(2022年5月21日朝刊掲載)

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