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平和公園一帯 変貌へ 被爆70年に向け観光客に優しく

 2015年の被爆70年に向け、広島市中区の平和記念公園一帯が姿を変える。世界遺産・原爆ドームの東隣では同年夏、地元企業のオフィスビルのリニューアルが計画され、新たな平和学習やにぎわいの拠点として期待を集める。市も公園内に喫煙ルームを新たに設け、老朽化したトイレを洋式に改修。観光客が訪れやすい公園への見直しを進める。(加納亜弥)

 12階建ての広島マツダ大手町ビルを、14階建ての「広島ピースタワー」(仮称)として改修するのは、マツダ車を販売する広島マツダ(中区)。「観光客も憩える空間を設け、広島の美しさを世界に伝えたい」とする。

 1階は物産館、3~11階は貸事務所にする。ビル東側にらせん状のスロープをはわせ、広島の歴史を紹介するパネルを展示。12階を平和学習の場として開放する会議室とし、13階に原爆ドームや平和記念公園を一望するテラスを設ける。

 市は、公園内の喫煙場所やトイレを一新する。現在5基ある灰皿を受動喫煙防止のためいったん全部撤去。来年8月6日の平和記念式典までに、4基を煙が流れにくい場所に移設し、原爆資料館南の駐車場の一角に喫煙ルームを1カ所設ける。

 5カ所あるトイレも建て替えや移設を進める。現在の和式を、外国人観光客にも配慮して大半を洋式に替える。維持管理費を抑えるため4カ所に減らす方針だ。16年度をめどに工事を完了させる。

 市緑化推進部は「灰皿もトイレも祈りの聖地にふさわしいデザインにしたい」としている。

(2013年11月6日朝刊掲載)

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