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[2023広島サミット]日米首脳会談で広島の味に脚光 レモンサイダー・神石牛・野菜… PR効果「サミットでも」

 東京の迎賓館で23日あった岸田文雄首相とバイデン米大統領のワーキングランチでは、首相の地元である広島県の味覚がテーブルを彩った。岸田流おもてなしの重要な役を担った食品には24日、早くも注文が集中。生産者からは「光栄」「アピールになる」と喜ぶ声が上がった。(筒井晴信、政綱宜規、加田智之)

 米大統領との乾杯で使われたのは広島レモンサイダー。県産レモンの果汁を使い、JA広島果実連(広果連、竹原市)が2011年から生産する。広果連広島支所の河村博文所長は「広島を代表する特産にしようと頑張ってきた11年間の努力が報われた」と喜びをかみしめた。

 外務省によると、会食に首相の地元食材を使うケースが多い。今回も首相側に「広島の食材でもてなせないか」との意向があったという。夕食にも登場した。

 広果連には24日朝から県内の量販店などから注文が相次ぎ、在庫は全てなくなった。県外の消費者からの問い合わせもあり、需要に対応するため製造計画の前倒しを検討している。

 小売店も対応に追われた。商業施設ゆめタウン広島(広島市南区)は24日、広島レモンサイダーの在庫を集めて売り場を設けた。柿野辰巳食品店長は「普段1日数本の売り上げだが、今日は昼過ぎまでに在庫の半分の約25本が売れた」と驚く。

 ワーキングランチのメインを飾ったのは神石牛。ヒレ肉のグリルが提供された。神石牛振興協議会事務局の豊田達哉・神石高原町産業課長は「品質が評価されたのだろう。畜産振興の後押しになる」と感激。短文投稿サイト「ツイッター」の町公式アカウントは24日、「神石牛がバイデン大統領に‼」と発信した。

 神石牛の付け合わせには県産野菜も使われた。先進7カ国首脳会議(G7サミット)の広島市での来年開催も決まり、外交を舞台にした魅力発信へ期待は膨らむ。湯崎英彦知事は23日、「世界中から政府関係者やメディアが来る。広島の素晴らしさを舌でも味わってもらいたい」と話した。

(2022年5月25日朝刊掲載9

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