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旧ソ連崩壊前後 写した27点 津和野出身 桑原さん 東京で写真展

 島根県津和野町出身の報道写真家、桑原史成さん(85)=東京都江東区=が、1991年の旧ソ連崩壊前後に撮影した写真展「“赤い帝国”の崩壊」を東京・丸の内の新東京ビルのギャラリーで開いている。ロシアと侵攻を受けているウクライナ両国の歴史や現地の困窮に思いをはせてもらおうと企画した。31日まで。

 旧ソ連やロシア、分離独立したウクライナで88~98年に撮った27点を展示。旧ソ連崩壊の引き金となったクーデター未遂事件で市街地を進む戦車の列や、なけなしの家財を売って暮らしをつなぐ人々の様子など、動乱期を生々しく伝える。

 独立直後のウクライナでは訓練する兵士や、ロシア軍艦が停泊するクリミア半島の港など緊迫した様子をカメラに収めた。

 桑原さんは「時の政権によって市民が苦しむ歴史が、また繰り返されようとしている。記憶を風化させてはいけない」と訴える。同様の写真展を、津和野町の桑原史成写真美術館でも7月20日まで開いている。(山本庸平)

(2022年5月25日朝刊掲載)

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