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被爆樹木に中区マツ 広島市登録 1本抹消 計160本

 広島市は25日、被爆の実態を伝える被爆樹木に中区舟入幸町の民有地に生えるマツを登録した。新たな登録は5年ぶり。併せて枯死した同区小町のムクノキを抹消し、市内の被爆樹木は31種160本となった。

 爆心地から南西約1・9キロにあるマツは、樹高約5・5メートル、幹回り1・3メートル。市民から連絡を受けた市職員が米国国立公文書館から被爆前の空撮写真を入手し、被爆当時からあると確認した。樹木医も樹齢100年以上と推定。民有地は現在、業者が結婚式場を整備中で、一般公開は2023年3月からを予定している。

 ムクノキは樹高3・5メートル、幹回り1・3メートル。爆心地から約530メートルの白神社前の平和大通り緑地帯にあるが21年度に枯死を確認した。市は今後、地上約80センチで切断し、説明パネルを設置して被爆樹木だったことを伝える方針でいる。

 市は1996年度から、爆心地約2キロ以内で被爆した樹木を登録している。市平和推進課は「被爆樹木は被爆の惨禍を乗り越えた生命力の象徴。多くの人に見てもらい平和への思いを共有したい」としている。(余村泰樹)

(2022年5月26日朝刊掲載)

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