×

ニュース

「招待せず」露大使反発 広島市長「平和式典に支障」

 ロシアのガルージン駐日大使は25日、広島市が8月6日の「原爆の日」に開く平和記念式典にプーチン大統領と自身を招待しないことを決めたのは「恥ずべき措置」だとフェイスブックで批判した。

 広島市は例年通りプーチン氏らを招待しようと準備していたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて日本政府から招待しないよう促され、取りやめた。ガルージン氏は、日本側がロシアによる軍事作戦を理由に「拒絶を選んだ」と強調した。

 ロシアがウクライナで核兵器を使おうとしているとの「ばかげた作り話」を日本側が拡散しているとも主張。過去の式典で日本側がしたスピーチでは「(原爆投下という)恐ろしい民間人大虐殺を行った国がどこなのか、さっぱり分からない」と記し、米国の責任を追及しない日本の姿勢も非難した。

 「西側諸国がウクライナでナチズムを推進している」と持論を展開した上で「ナチズムと同盟を組んだことが、1945年に日本を襲った破局の原因の一つ」だとした。

 広島市の松井一実市長は26日の記者会見で、大統領と大使の招待を見送ったことについて「式典の執行に支障を来すことを避けるためだ」と説明した。また、現在は世界が米国とロシアの支持派に分かれていると指摘し、「平和発信のための式典を政争の具にされたくない。式典に来て被爆の実相に触れてもらうことが重要との認識は変わっていない。国際情勢が改善すれば、以前と同じように招待する」と述べた。

(2022年5月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ