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空手が縁 広島を訪問 長野に避難 ウクライナ4家族

 ロシアによる軍事侵攻を受け、ウクライナから長野県に避難してきた4組の家族が26日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。子どもたちが習う空手が縁で長野県に移り、さらに広島市の空手関係者に招かれた。祖国への攻撃に終わりが見えない中、平和を切に願った。

 訪れたのは空手道禅道会(長野県飯田市)のウクライナ支部で空手を学ぶ8~13歳の子ども4人とその家族の計9人。首都キーウ(キエフ)南西の都市ヴィーンヌィツャから今月1日、長野県に避難してきた。同会には広島山口支部(西区)があり、岩間真太郎支部長(52)が「広島から平和への思いを発信してほしい」と9人を招いた。

 9人はロシア軍の侵攻以来、空襲警報におびえる日々を送っていたという。広島に入った25日は身の安全が守られていることに感謝しながら、西区での交流稽古に参加。26日は原爆資料館や原爆ドームを巡り、慰霊碑に手を合わせた。27日に長野県に戻る予定。

 資料館の展示を見たツンバルク・アルチョムさん(13)は「黒焦げの三輪車が印象に残った」。プーチン大統領は核兵器の使用を示唆しており、母親のボロセンコ・オレナさん(44)は被爆した街の写真に祖国の現状を重ね「広島と同じことを絶対に起こさせてはいけないという気持ちが一段と強くなった」と話していた。(平田智士)

(2022年5月27日朝刊掲載)

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