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岩国基地 騒音被害や夜間・早朝飛行 2次提訴へ思い共有 周辺住民ら、原告募る説明会

 岩国市の米軍岩国基地の周辺住民たちは28日、騒音被害や夜間・早朝の飛行差し止めを訴える第2次訴訟に向けた原告集めの説明会を市内で開いた。約90人が出席。1次訴訟中の2018年に米空母艦載機の移転が完了し、騒音が増えたとして、新たな訴えを起こす思いを共有した。(有岡英俊、黒川雅弘)

 基地近くに住む世話人代表の三木健二さん(81)=旭町=が「今後の基地の機能強化につながらないよう力を合わせたい」とあいさつ。弁護団が第2次で求める内容を説明した。米軍厚木基地(神奈川県)から18年3月に艦載機の移転が完了し、所属機が約120機に倍増した騒音の実態や、滑走路が10年5月に沖合へ移った後の被害について特に争うとした。

 原告は1次同様、国の住宅防音工事の助成対象となる「うるささ指数(W値)」75以上の区域に住む人が対象。1次訴訟で沖合移設後に慰謝料の対象に含まれなくなった一部地域の原告の騒音被害が減っていないことも主張する。

 会社員女性(58)=旭町=は「滑走路が沖合に移っても電話やテレビが聞こえない。爆音が当たり前になっている現状を変えてほしい」と話す。

 原告654人で臨んだ1次は09年提訴。一審、二審とも過去の騒音被害について国に賠償を命じた一方、飛行の差し止めや将来受ける騒音被害の賠償は認めなかった。最高裁は21年4月、住民側の上告を退け二審判決が確定した。

 住民たちは7月ごろまで市内各地で原告集めの説明会を開き、年末にも提訴する。事務局の吉岡光則さん☎090(4101)6457。

(2022年5月29日朝刊掲載)

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