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2世会員の活動充実 広島県被団協 事業計画決める

 広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は27日、広島市中区で総会を開き、2022年度の事業計画を決めた。被爆者の高齢化で会員が減少する中、被爆2世の活動を充実させ、親の被爆体験を語り継ぐ取り組みを進める。ホームページ(HP)を新設し、被爆体験講話などの活動の発信に力を入れる。

 事業計画によると、高齢化で証言活動が困難な被爆者が増える中、2世会員たちが親の体験を聞き取ってまとめるための研修会を開くなどの継承活動を模索する。また会費が無料だった被爆2、3世から年500円以上を集める。会員が約3千人に減る中、組織を担う責任を自覚してもらう。

 8月にも開設するHPでは、被爆体験講話と碑巡りガイドをネット上で申し込めるようにする。被爆者運動の歴史を記した資料を収集して保存する取り組みを進めるため、地区ごとに資料調査委員を決める。

 ロシアのウクライナ侵攻と核兵器使用の威嚇への抗議や、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」への反対を続けることも明記した。

 総会には、県内の被爆者団体の代表たち約50人が出席し、拍手で計画を承認した。箕牧理事長は来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催に触れ「核兵器保有国の首脳たちが広島に来る。被爆の実態の共有に期待したい」とあいさつした。

 原爆の日の8月6日と日程が重なるため、米ニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議に代表者を派遣しないことを確認した。過去の会議では派遣してきた。オーストリアで6月に開かれる核兵器禁止条約の第1回締約国会議にも派遣しない。

 また、昨年10月に96歳で亡くなった坪井直前理事長が務めてきた日本被団協の代表委員に、箕牧理事長を推薦することを決めた。代表委員は広島、長崎、関東エリアから各1人を選んでおり、6月の日本被団協総会で就任が決まる。(余村泰樹)

(2022年5月28日朝刊掲載)

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