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被爆電車で焼けた街思う シュモーハウス訪問も 市民団体が平和イベント

 77年前に被爆した路面電車に乗り、原爆被害の実態を学ぶ催しが29日、広島市内であった。市民団体「2000+(プラス)17・平和」が主催し、親子連れたち25人が参加。被爆当時の街並みを思い描きながら、平和の尊さをかみしめた。

 南区で被爆、小破したものの、今なお現役で走る「652号」に乗り、広島駅(南区)を出発。江波(中区)まで約40分のコースを巡った。車内では、同団体の西村宏子代表(64)が、被爆者の言葉を引きながら当時の惨状を説明。十日市町(同)では、被爆者が描いた「原爆の絵」を示して、「この辺りは火の海となり、多くの人が逃げ惑ったそうです」と語った。

 参加した崇徳高2年稲田寛汰さん(17)は「被爆電車から見た原爆ドームは、普段より重々しく感じた。戦争をなくさないといけない」と話した。

 一行は続いて、原爆資料館の付属展示施設「シュモーハウス」(中区江波二本松)を訪問。原爆投下4年後に広島を訪れ、市民のために住宅計21戸を建てた米国人、故フロイド・シュモー氏の足跡に触れた。西村代表は「復興に尽くした人々の努力も知って」と呼び掛けた。(湯浅梨奈)

(2022年5月30日朝刊掲載)

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